顎関節症とは、顎関節や周辺の筋肉が痛い、噛むときにカクカク音がする、口が開きづらいなどを主な症状とする慢性的な疾患です。通常、顎が動くときに「関節円板」と呼ばれる顎関節の一部が、上下の顎のクッションの役割を果たすことで、問題なく口を開けたり、食べ物を噛んだりすることができます。
しかし、この関節円板が何らかの原因でズレる、変形することでスムーズに顎が動かせなくなる状態が続き、顎関節症となります。なお、関節円板の障害だけでなく顎周辺の筋肉や靭帯へ大きな負担がかかったり、顎関節の骨自体が変形して、発症していることもあります。
一般的に顎関節症はさまざまな原因が重なって症状がでているものがほとんどで、原因を一つだけに絞るのが難しいとされております。そのため、まず思い当たる部分からアプローチし、治療をはじめていきます。
就寝時、歯ぎしり、強く噛みしめるなどの習慣がある。
姿勢が悪く、全身に歪みが生じている。
噛み合わせが悪い。
入れ歯、被せ物などの歯科治療が適切でない。
食べ物を噛む時に噛み癖がある。
日頃、精神的なストレスを感じている。
痛みがある場合は、その痛みの除去を行なうことから始めていきます。その後、根本的な原因を探るため精密検査を受けていただき、検査結果に合わせて治療方法を選択していきます。
スプリント療法(マウスピースをはめて顎の負担を軽減させるもの)を中心に、顎周辺の筋肉トレーニング、生活習慣の改善などを行なって経過観察を行なっていきます。顎の調子が悪い、痛いと感じながらも放置すると、悪化してしまうこともありますのでお早めに当クリニックまでご相談ください。